相互運用性

ダイダロスの迷宮

他の通貨との相互運用性は、グローバルな視点から来ています。専門的なプロトコル、新しいタイプのトランザクション、信頼性を評価するシステム、および情報の流れは、単一のゲートキーパーまたはユーザーを対象としたものではいけません。むしろ、誰でも自由に閲覧できるものでなければならないのです。

しかし、もしカルダノがユーザーによって必要不可欠なプロトコル、トランザクション、またはアプリケーションに対応していなければどうなるのでしょうか。我々は見向きもされなくなってしまうのでしょうか。Webは、1990年代に同様の懸念に直面しました。

幸い、Webはこれに対して2つ解決策を見出しており、仮想通貨にもそれらを講じることができます。JavaScriptの導入により、どんなウェブサイトでも任意の機能を追加することができるプログラム機能が提供されました。また、ブラウザプラグインと拡張機能を導入することで、ユーザーがそれらをインストールできるカスタム機能が追加されました。現代のWebは、両方のアプローチを採用したことにより発展してきたのです。

イーサリアムは、ユーザーがそのブロックチェーンのサブプロトコルをスマートコントラクトとして埋め込むことを可能とするような前者のアプローチを採用しました。カルダノは、CCLのパラダイムを通じてこの機能をサポートしています。しかし、カスタム拡張機能についてはどうでしょうか。

わかりやすい例としては、仮想通貨のトレーダーが挙げられます。DM(Decentrialized marketplace)と呼ばれる、様々な仮想通貨を取り扱っている分散型市場を想像してみてください。トレーダーは、DMに作用する戦略を自動化したいと考えています。

断片化されたエコシステムでは、トレーダーは仮想通貨ごとに数十のクライアントをインストールし、自動取引を調整するために各クライアントとの対話を可能とするカスタムソフトウェアを作成する必要があります。また、クライアントが1つでも更新されると、ソフトウェアが破損する可能性があります。さらに、トレーダーがそのソフトウェアを販売したい場合はどうすればよいでしょうか。

Webの拡張モデルを利用し、様々な仮想通貨のインターフェースをWebスタックに取り込めることができれば、トレーダーのタスクは劇的に改善するのではないでしょうか。これが実現すれば、普遍的なインターフェースが確立され、インストールはワンクリックとなり、ソフトウェアの配布は、Chromeウェブストアのようにモデル化することができます。

カルダノでは、ウォレットのフロントエンドにElectronを利用することによって、このパラダイムを実験することにしました。これはGithubによって管理されているオープンソースプロジェクトであり、NodeとChromeの両方の技術を組み合わせたものです。カルダノが組み込まれたElectronアプリケーションはダイダロスと呼ばれています。

ダイダロス27の第1世代は、消費型パスワードやBIP39など、業界標準となっている多くの会計およびセキュリティ機能をサポートするHDウォレットとして機能することでしょう。後の世代では、ダイダロスは普遍的な統合APIとSDKを備え、ストア機能が搭載されたフレームワークとして開発されることでしょう。

技術革新としては、プログラマーがJavaScript、HTML5、CSS3を使用してアプリケーションが構築可能であり、またアプリケーション間の通信に統一された回線を利用することによって、開発が容易に行えることです。暗号化、分散ネットワークの管理、データベースの仕組みなど、複雑な動作を取り除くことで、開発者はユーザーエクスペリエンスとアプリケーションのコアロジックに専念することができます。

ダイダロスを普遍的なフレームワークとするために、そのロードマップと進化は、カルダノからある程度独立しています。2017年ではこれらは密接に関連していますが、将来的には、カルダノはダイダロスユーザーのためのアプリケーションの1つとなるでしょう。また、インテルSGXのみで実行可能な普遍的なキー管理サービスなど、非常にユニークな機能も模索しています。

結局のところ、我々プロトコル設計者は、すべてのニーズに応えることができません。ダイダロスの柔軟性と、CCLで実行されるステートフルなスマートコントラクトを組み合わせることによって、我々の設計上の決定から除外されたものを実装できると期待しています。また我々は、すべての仮想通貨がより良い相互運用性とセキュリティを享受できるような規格がダイダロスから実現されることを望んでいます。


脚注

27: これは既にdaedaluswallet.ioで入手可能です

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