#拡張性
分散システムは、共通の目標を達成するためにプロトコルまたはプロトコル群を実行することに同意したコンピューター(ノード)の集合体によって構成されています。目標としては、BitTorrentプロトコルのようにファイルを共有することや、Folding[at]Homeのようにタンパク質の折りたたみ構造を解析することなどが挙げられます。
最も効果的なプロトコルは、ネットワーク内のノードが増えるにつれ、より多くのリソースを獲得しています。たとえば、BitTorrentによってホストされているファイルは、多くのピアが同時にダウンロードしている場合、より高速にダウンロードを行うことができます。これはピアがリソースを提供すると共に消費しているためであり、これは分散システムに拡張性があると主張する際に挙げられる特性でもあります。
現在の仮想通貨に共通している設計課題は、これらが拡張するように設計されていないということです。たとえばブロックチェーンとは通常、ブロックの追加のみが行える連結リストです。ブロックチェーンプロトコルのセキュリティと可用性は、多くのノードがブロックチェーンデータの完全なコピーを所有していることに依存しています。つまりN個のノード間で1バイトのデータを複製する必要があります。したがって、ノードを追加することによってリソースが追加されるわけではありません。
トランザクション処理とシステム全体にメッセージを広めることにも同様のことが言えます。コンセンサスシステムにノードを追加したとしても、トランザクション処理能力が向上するわけでありません。それは同等の仕事を行うためにより多くのリソースを消費するということなのです。中継ネットワークの増加は、ネットワーク全体を最新のブロックと同期させるために、より多くのノードが同じメッセージを発信する必要があることを意味します。
このトポロジーでは、仮想通貨は従来の金融システムと同様の方法でネットワークを拡張することができません。これとは対照的に、従来のインフラストラクチャは拡張性が高く、処理能力とストレージ能力が桁違いにあります。より具体的には、ビットコインは、従来の金融システムに比べて非常に小さなネットワークでありながら、現時点での負荷の処理に四苦八苦している状態です。
カルダノの拡張性は、そのコンセンサスアルゴリズムによって可能となります。ウロボロスは、Google や Facebook10 などの大規模なインフラストラクチャプロバイダのニーズに応えるために、過去20年間に開発された従来のプロトコルを実行できるコンセンサスノードのクォーラム(分散型システムにおいてトランザクション処理を実行するために必要なノード)を分散化された方法で選出することができます。
たとえばあるエポック(時代)のためにクォーラムを選出するということは、特定の期間において、台帳システムを維持するための信頼できる一定数のノードが存在することを意味します。複数のクォーラムを同時に選出し、一定数のトランザクションをそれぞれのクォーラムに割り当てることは大した問題ではありません。
同様の手法をネットワークの伝播やブロックチェーン自体の分割に適用することができます。現在のロードマップでは、拡張方式は2018年以降にウロボロスに適用され、2019年と2020年にも引き続き焦点が当てられることになっています。